【企業分析】全国保証(東証7164)

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友人から依頼があったので全国保証(7164)の銘柄分析を練習を兼ねてこちらに投下。

なんのBLOGかますます混とんとしてきました(笑)

1.ビジネスモデル

①売り上げの構成要素

珍しいことに「信用保証事業」の単一セグメント企業。

住宅ローンを組みたい一個人が銀行・地銀・信金等と契約を交わす際に

連帯保証人の代わりに全国保証に対して手数料を支払い保証の肩代わりをお願いするもの。

もしも依頼人が支払い不能に陥った場合は全国保証が代わりに銀行に支払いを行い、後から依頼人に対して代金の請求を行っていく。

事業としては非常にシンプルな構成となってる。

②事業売上ををアップさせるには?

「保証債務残高」を増加させること。

つまり新規に保証を引き受ける金額・件数を増やす。

保証債務残高…新規に保証を引き受けた金額に応じて保証料を取るため、保証債務残高が拡大すると前受収益が増え、収入保証料に振り替えられる金額も大きくなる。保証債務残高の増加は将来の収益の増加に。

③どこにコストが掛かる?収益性を高めるには?

代位弁済が発生、そして回収に時間が掛かると企業の負担に。

代位弁済の発生を防ぎ、収益性を高めるには保証審査の基準をどのように設定するかが肝心かと。

ターゲットととなる個人の選定をどう行い、アプローチしていくのか、

この辺りは企業に個別に質問しないと得られない解答でしょうね。

ビジネスの核心に迫る部分なので。

2020年5月8日の最新の3月期決算短信には下記のように一部記載があるので、興味ある方は長いけど目を通していただいて。

コロナによる社会情勢の変化に対応してしっかりと「事業等のリスク」部分が記載されているのも株主フレンドリーな企業だと感じる次第。

審査について…厳格な審査基準に則り、適切な与信判断をするための知識・経験を持つ決裁権限者および審査担当者が、定量情報と定性情報を総合的に評価したうえで、審査を行っております。また、信用リスクの高い案件については、審査部において審査および決裁を行っており、信用リスクに応じた審査体制を敷いております。

延滞管理…延滞初期段階から金融機関と協調して債権管理業務に取り組み、代位弁済の発生低下に努めております。保証委託者の状況を早期に把握し、案件毎に対応方針を策定したうえで、延滞解消に向けた助言及び督促を行っております。

2020年3月期 決算短信より一部抜粋)

④どういった種類のリスクがあり、期間損益に与える影響は?

不況になった折に代位弁済が同時多発的に多数発生すれば、一時的に資金繰りを悪化させる可能性がある。

そこで各数字の比較をみてみると

  19年3月 19年9月 (計画)20年3月 (最新)5月8日決算短信
保証債務残高 12兆7176億 13兆2252億 13兆5370億 13兆6160億
代位弁済金額  117億   126億  
求償債権回収
84億
  95億  

上記のように保証残高に占める割合は2020年3月期までの段階では非常に低位であると言える。

求償債権…民法上の概念で、一定の法律上の理由で被った財産の減少について、特定の者に対してその返還を求める権利をいい、一般には他人の債務を弁済した者が、その他人に対して弁済額の返還を求める権利を指す。

また、この企業の資産構成は特徴的で自己資本比率41.2%と比較的高位かつ

流動資産と投資その他の資産がそれぞれ1/3ずつとなっている。

「投資その他の資産」に関する「金融商品に対する取組方針」において安全性、確実性、流動性が高く元本毀損リスクの少ない運用を原則としており、

2019年9月末時点での開示ポートフォリオは

現預金55.4%

国債・社債41.2%

投資信託1.6%

金銭信託0.8%

その他1.1%

計100%

という構成なので、この構成のまま来ていればその点において発生しうる損失は今のところ非常に軽微と推察される。

 

2.今後の見通し

ビジネスモデルとしては非常にシンプルかつ企業体力も非常に強固なので、

平時の投資先として非常に魅力的だし、実際の株価も右肩上がりで買いたくてもなかなかタイミング的に手が出しづらかった方もいそう。

本来なら具体的な今後の数値予測(売上高、利益等)を立てたいところだけど、マクロ的に見ると、どう考えてもコロナによって新規住宅ローン取得件数自体が減少するだろうから資金効率的にもったいないような気持ちになりますね。

長期保有決め込むならアリだと思いますが…

後は企業で保有している金融商品の金利低下リスク、運用利回り低下リスク、信用格付け引き下げによる債券価格下落リスク等にプラスして

急激な景気後退による代位弁済が急増→流動資産の減少→その他資産の不利な条件での解約を強いられる可能性があること。

一番嫌なのが、格付け機関から取得している格付けを引き下げられてしまい、ローンの金利負担が増加するリスクでしょうか。

 

 

 

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